『超現代語訳 幕末物語』房野史典著

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日本史のなかで戦国時代と幕末は特に人気があります。大河ドラマでも取り上げられる頻度が高いのがこのふたつの時代。ですが幕末はややこしすぎてなかなか覚えられないですよね。試験なんかで単語や人名を覚えることはできても幕末に関しての記述問題が出てきたらほぼお手上げ状態でした。

ですがこの本を読めば、そんな幕末の複雑奇怪な一連の流れが無理なくアタマに入ります。

書籍情報

【書籍名】『超現代語訳 幕末物語』

【著者名】房野史典

【出版社】幻冬舎

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著者について

房野史典(ぼうのふみのり)さんはお笑い芸人で相方の吉村憲二さんとブロードキャスト!!というコンビ名で活動されていますのでご存知の方も多いかと思います。

名古屋学院大学を卒業後、名古屋NSCを経てお笑い芸人としてブロードキャスト!!の他に歴史好き芸人で結成された六文ジャーというユニットでも活躍されています。因みに好きな武将は武田信玄だそうです。

複雑に入り組んで覚えづらい幕末

幕末は大きな事件が立て続けに発生し、魅力的な人物もたくさん登場するのですが、なにせぐちゃぐちゃに入り混じって覚えづらい。教科書を読んだくらいではとてもではないけど理解できません。

ペリーが来航したのが1853年で大政奉還が1868年。その短い間だけでもさまざまな出来事が起こり、時系列に把握するのもあやしい状態です。また教科書的な記述だと点で覚えがちで一連の流れがわかりません。

幕末が難しい理由はそれぞれが複雑に絡み合っていて、個別の出来事では完結しないところです。またそれが魅力や面白さとなって人々を惹きつけています。

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シンプルな文体とセリフ形式

本書は書籍名に超現代語訳とあるとおりカタカナ語を多用して、難しい単語や言い回しはまったくといっていいほど登場しません。また文体も非常にわかりやすく、シンプルな短いセンテンスばかりなので必要とされる読解力は最低限です。お笑い芸人ならではの文章といった感じでスラスラ読み進められます。

また本書はイラストや写真などはありません。ですが至る所に歴史上の人物によるセリフ形式の会話文を多用することにより、読んでいるうちにそれぞれのシーンがアタマの中に浮かんでくるようでマンガのような取っつきやすさがあります。文字だけの本が苦手な人でも抵抗感は少ないと思います。

複雑な幕末の流れを把握しやすい

本書の魅力はなんといってもごちゃごちゃして理解するのに苦労する、幕末の一連の流れを無理なく把握できる点です。日本史を勉強したけど幕末は複雑で結局曖昧となったままの人は、この本を読めば頭の中がだいぶ整理できると思います。またこれから勉強する人は最初にこの本を読めば、混乱することなく幕末について受けいれらるでしょう。

歴史を理解するのに重要なのは出来事の流れをつかむことです。流れをつかむと点ではなく線で捉えることができます。

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また本書の丁寧なところは出来事をただ羅列しているのではなく、なぜそのような事が起こったのかの理由や背景が書かれている点です。そしてその理由や背景を当時の人々が何を感じて何を思ったのかといった感情に求めています。

歴史が動く時、その根本にあるのは必ずしも論理などではなく、人間の感情であることを再認識させられます。あらゆる出来事の原因に人間の感情が関わっていることを受け入れられれば、歴史を理解しやすくなります。

セリフ形式ではその語られる言葉は、当然その人物の気持ちを伴っています。なので、そんなことされたらそういう反応するよね、といった感じでなぜその出来事や事件が起こったか、そういった流れになったかが納得できます。

本書では歴史上の人物の感情を(もちろん推測、想像して)ふんだんに入れ込んでいますが、著者はできるだけ公平な立場を心掛けているので、会津贔屓の人でも薩摩・長州贔屓の人、その他の藩や人物に肩入れしている人でも受け入れられる内容となっています。

~幕末を執筆するにあたって気をつけたのは、なるべく”フラットな視点”でいることです。
様々な思想が入り乱れた時代なので、「こちらが正しくて、あちらが間違っている」という観点で描かれることが多い幕末。
しかし、起こった出来事を偏りなく提供した方が、受け取った個人の感性でストーリーを彩ってくれると思ったんですね。
394ページより引用

まとめ

本書は幕末を勉強したけどイマイチ理解できない人から、老中や尊王という単語がわからないレベルの人まで幅広い層にオススメできる一冊です。もちろん幕末史に詳しい人も楽しめます。

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