『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』 ネタバレと感想

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奇才クエンティン・タランティーノ監督による『ヘイトフル・エイト』以来4年ぶりの新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は、60年代も終わりを告げる頃にハリウッドで実際に起こった、凄惨な事件をモチーフとした内容となりました。

今作ではタランティーノ監督がインタビューで「人生をかけてリサーチした」と語る60年代のハリウッドが描かれています。全編に渡り当時の映画、ドラマ、音楽、風俗のオマージュやパロディがこれでもかというほど登場します。

 
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『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』作品情報

■原題
『Once Upon a Time in Hollywood』

■監督
クエンティン・タランティーノ

■出演
リック・ダルトン-レオナルド・ディカプリオ
クリフ・ブース-ブラット・ピット
シャロン・テート-マーゴット・ロビー
ロマン・ポランスキー-ラファル・ザビエルチャ
チャールズ・マンソン-デイモン・ヘリマン
マーヴィン・シュワルツ-アル・パチーノ
スティーブ・マックイーン-ダミアン・ルイス
ジョージ・スパーン-ブルース・ダーン
ブルース・リー-マイク・モー

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移りゆく時代に苦悩するスターを演じるディカプリオ

実際の人物が次々に登場する本作にあって主人公の2人は架空のキャラクターです。ディカプリオ演ずるリック・ダルトンはテレビ俳優ですが映画界で大きなチャンスを掴みきれずにいます。ブラット・ピットのクリフ・ブースはリックのスタントマンをしていましたが、仕事に恵まれずリックの運転手や家の雑用をしていました。

リックは50年代にテレビが普及したことで登場したテレビスターの一人ですが、時代の移り変わりに将来を見出せずプロデューサーからキャリアの落ち目を直言され弱気な態度を見せます。因みに実際にテレビ界から映画界へ華麗に転身した人物としてはスティーブ・マックィーンが登場します。役を演じたダミアン・ルイスは口元がマックィーンにそっくりです。

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

映画.comより

リックはイタリアへ渡りマカロニウエスタンに出演します。マカロニウエスタンでキャリアを積んだ後に大成功した俳優といえばクリント・イーストウッドが思い出されますね。60年代はそんなテレビ出身の俳優が岐路に立たされた時代でもありました。リックは将来を見出せずにいる俳優として悩んだり、挙句の果てに少女に慰められて涙ぐんだりします。またセリフを忘れて自己嫌悪に落ちてトレーラーの中で暴れたりと喜怒哀楽の激しい人物です。

好人物なスタントマンであるクリフのブラット・ピット

一方のクリフはリックが豪邸に住んでいるのに対し、ドライビングシアターの近くのトレーラーハウスに愛犬と一緒に暮らしています。彼はリックの運転手の他にも家の留守番をしたり、屋根のアンテナの修理をしたりで本業のスタントの仕事にはなかなか恵まれません。

リックが口利きしてくれてやっと仕事にありついたときもブルース・リーに言いがかりをつけられ揉め事を起こしてしまいました。ですがどこか楽天的なクリフは悲観的にならず弱音も吐きません。それどころか悩めるリックの精神的な支えにもなっています。

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

映画.comより

ブラット・ピットはいつも自然とカッコ良さが漂ってしまう俳優ですが、泰然としたキャラクターのおかげもあって一層とクールさが滲み出ています。

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幸せそうなシャロン・テート

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

映画.comより

史実ではチャールズ・マンソンの信望者により無惨な最期を遂げたシャロン・テートですが、今作中では彼女を描く上でそのような悲劇的な要素はまったくありません。パーティーで踊り、夫のために本を買い、自分の出演した映画を顔パスで鑑賞する、幸福に満ち溢れた日常が流れ人生を謳歌しています。それらは事件によって奪われた彼女の人生でした。

タランティーノも「悲劇を掘り下げるつもりはない」と語っています。そしてこうも言っています。「ただ彼女の生活を見られるだけでも、特別なことじゃないか」。それがタランティーノ監督の想いであり、観る者に伝えたかったことでもあります。

タランティーノが描く暴力

シャロンを慈しみさえ感じるほど幸せ一杯に描いている一方で、タランティーノ監督はヒッピーと呼ばれる人たちにはどう考えても好意的とは思えません。

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

映画.comより

ヒッピーたちの目は一様に妄信的で、クリフはプッシーキャットと呼ばれる少女を牧場に送り届けたときに彼らにキナ臭いものを感じます。タランティーノは一切ヒッピーたちの立場に立って描写していませんし、彼らへの軽蔑と嫌悪感さえ感じさせます。

終盤でリックの家に押し入った彼らに対しての暴力シーンはそれまでのこの作品のトーンを一変させます。タランティーノ監督の暴力描写は女性に対しても容赦しません。憎々しげに描かれていたヒッピーたちは惨い最期を迎えます。

まとめ

ラストでリックはシャロンにインターフォン越しに話しかけられ、自宅に招待されます。そのとき門が開くのですが、それはリックの輝ける未来が開かれたことを暗示しているようでもありました。

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