『40歳を過ぎたら、働き方を変えなさい』佐々木常夫著

働き方を変えなさい

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はじめ「40歳を過ぎたら、働き方を変えなさい」というタイトルを見て、ガムシャラに働いている人に向けての本だろうと思いました。

私は少し前に忙しい職場環境から解放されたく転職をして、その結果若干心にゆとりがでてきました。そこで今までの自分の働き方についての反省と、今後の人生について考える際のヒントを得たくて手に取りました。

本書は病身の妻と3人の子どもを育てながら東レの取締役まで昇った著者の働き方や考え方を「略す」というキーワードを用いて解説しています。

この本には特に目新しいことや、変わったことが書かれているわけではありません。

ですが読み終わったら、今一度自分のなかで省みてほしい内容に溢れています。

書籍情報

【書籍名】『40歳を過ぎたら、働き方を変えなさい』

【著者名】佐々木常夫

【出版社】文響社

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著者について

著者の佐々木常夫さんは大学を卒業後、東レ株式会社に入社。

同期トップで東レの取締役に就任しました。

2003年には東レ経営研究所の社長、2010年には(株)佐々木常夫マネージメント・リサーチ代表としてご活躍されています。

更に内閣府の男女共同参画会議議員や大阪大学客員教授などを歴任されています。

40代ではなくてもおすすめです

本書のターゲットとして前書きには以下のように書かれています。

本書は、働く40代の大多数を占めるであろう、管理職にまだなっていない40代の「君」を想定し、悩める「彼」に向けて私がアドバイスを送るという形で書き進めました。
7ページより引用

本のタイトルにあるように40代の会社勤めをしている読者をターゲットにしていますが、まだ20~30代の人が読んでも役立つ内容になっています。

また会社員として勤めている人を前提にしていますが、今いる会社にずっと居続けろといっているのではなく、転職することも否定していません。

昨今、ブラック企業やパワハラといった言葉とともに、その存在や慣習を全否定する論調が溢れる中、今いる環境で自らをより良く成長させようとする論旨には説得力を感じます。

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「がむしゃらに働く」ではなく「無駄なことは略す」

前書きに著者がこの本を通して最も訴えたいことが書かれています。

私がいちばん言いたいのは、「40代のみなさんがすべきは、全力でがんばるのではなく、むしろ力を抜いてみる」ということ。
~中略~
「幸せな人生」というゴールに最小限の努力でたどり着くために、ムダなものを省く=不要なものを「略す」という考え方を身につけてほしいということなのです。
5ページより引用

40代で自分の働き方を見つめ直し略す知恵を身につけると、実り豊かな人生を手に入れることができる。
そのためのメソッドを年長者という立場から、まだ管理職になっていないであろう読者に話しかけるように書かれていますが、決して説教じみた文体で書かれていません。実際に読んでみても上から目線の押し付けがましい感じはまったく受けませんでした。

著者は病身の妻と障害を持った子を含め3人の子どもを抱えており、会社という組織に属しながら自分及び家庭の時間を作り出さざるを得ない状況でした。

自分も部下も定時に帰れるよう必死に知恵を絞り、「仕事では何をすべきで、何をすべきでないのか」を徹底的に試行錯誤したのです。
6ページより引用

ですが著者の苦労話やお涙頂戴という内容は一切出てきません。あくまでも自分を成長させるためにはどう働けばよいのかがわかりやすく紹介されています。

そしてムダを略して手に入れた時間を家族と過ごすために使うよう説いています。一般的に日本人は家族に対し理解不足であり、家族と意義深い時間を過ごすことで人生が充実するとしており、このあたりに著者の人生観が垣間見られます。

また「略す」というのが本書のキーワードですが、作業や時間の短縮といった話だけでなく人としての真摯さや礼儀正しさ、人間関係の作り方、自分の置かれた状況の受け入れ方なども書かれています。決して要領よく仕事をするといっただけの趣旨ではありません。たとえ苦手な相手だとしても決して打算的になるのではなく誠意や熱意を持って接すること、その上での割り切りが必要と説いています。

エピローグでは、人と接するにあたって真摯な態度でいることが本当に大切であるという事例として、ある取引先の方とのエピソードを紹介しています。

まとめ

40代になって「もう40代」と思ってしまったり、20、30代をガムシャラに働きすぎて希望が見えなくなってきたときに、働き方に対してどう向き合うかを考えさせられる本でした。

読み終わって感じたことは、この著者は読者の味方である。そんな印象を受けました。

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