本屋が減少している原因と存在理由

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街の本屋さんが無くなりつつあると言われて久しいですが、私の住んでいる処でも以前は3軒ほどあった近所の本屋がゼロになってしまいました。3軒とも小さな個人商店のような規模のお店でした。

なので今では本屋に行くのは大きなターミナル駅まで出なくてはいけない状態で不便です。もっともここ数年はネット通販で本を購入するケースも増えてきたので実際の店舗を利用する機会も減りました。ですがネットで本が買えるようになっても私はしばしば本屋を訪れます。

今回は本屋が減少している原因とわざわざ実際の店舗に足を運ぶ理由について考えてみます。

本屋が減っている理由

出典:日本著者販促センター

このグラフを見ると1999年には2万2000店以上あった本屋は2017年には1万2500店ほどになっています。おそらく店舗の減少はまだしばらく続くと思われます。そして減っている本屋の形態は駅前や商店街にあった中小書店といわれています。

大型書店や売り場面積は大きくなくても特定の専門分野に特化した本屋は、もちろん安穏としているわけではないのですが、その存在価値をなんとか保っています。

コンビニの普及

どこの街にもあった何の変哲もないと言ったら悪いですが、要するにどの店でも同じような商品がおいてある小さな本屋さんはまずコンビニの普及により数を減らしました。なぜならこういった街の本屋さんの売れ行きを支えてきたのは雑誌だからです

書店で雑誌を扱うのは日本独自の特徴で、中小の書店は書籍よりも雑誌を売ることで経営を成り立たせてきました。更に欧米と比べて日本の書籍は価格が安いといわれており、中小書店は利益の確保を書籍より雑誌に頼らざるを得ない背景があります。

ですが扱う商品のなかに雑誌が含まれているコンビニが出現した為、小さな書店はコンビニと生き残りを賭けて戦うはめになりました。結果はもちろん雑誌のほかにも幅広い商品を扱い利便性に勝るコンビニに軍配が上がりました。

ネットショッピングと電子書籍の登場

大型書店は広い売り場面積を活用した幅広い品揃えで勝負しました。ですが今度はアマゾンや楽天など大きな店舗を必要としないネットショッピングの登場により大型書店にも受難の時代がやってきました。

大型書店は駅前など利便性の高い場所に出店しているケースが多く、家賃などのコストが莫大になります。一方アマゾンなどは立地条件は問われず、土地代の安いところに倉庫を構えることができます。大型書店がアマゾンと戦おうとすると維持費でハンデを背負うため、かなり不利な状況となります。

更にキンドルをはじめとする電子書籍の普及です。様々な電子書籍リーダーも登場し、本は徐々に紙から脱却しつつあります。電子書籍の優れた点は紙の本より安く購入できますし、劣化もしません。

また紙の本は実際に商品を置くスペースを確保する必要があるのにに対し、電子版はデータなので品揃えの面では勝負になりません。

購買者側から見ても、ネットショッピングで取り寄せるにしろ電子辞書で購入するにしろ、わざわざ歩き回って本を探す必要もありません。都市部に住んでいようが、過疎地区に住んでいようが関係なく同じ手間ひまで書籍を手に入れることができます。

若者の活字離れや出版不況などの言葉で語られがちな街の本屋さんの減少ですが、世の中のニーズに応えられない、求められる価値を提供できなくなった結果、減少したと思われます。

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特色のある本屋は生き残る

どこにでもある品揃えの本屋は減っていますが、店主の好みが品揃えに反映していたり、ユニークな特色のある本屋はその存在価値を失っていません

欧米では独立系書店といわれるこのような形態の本屋は増加しているといわれています。日本でも同様なスタイルで雑誌に頼らず書籍の売り上げで経営を支えるには本の価格を見直す必要がありますが、それは難しいでしょう。ですが日本でもその店独自の特色を持った書店は、ほかの店との差別化により注目を集めています。

ネットにはない実店舗ならではのメリット

私がネットショッピングや電子書籍を利用しているにもかかわらず、実店舗を訪れる理由は思いがけない本に出会うことがあるからです。ネットでは一度購入するとレコメンド機能で同じような内容やジャンルの本を薦めてきます。

私もよくこんな本もあったのかとポチッとやるのですが、そればかりだとコンピュータに薦められた同系統の本ばかり読むことになり、その他大勢のひとりになります。それでは自分で自分を作り上げていくとは言えませんし、そこに個性や個人の意思はあまり感じられません。

いっぽう実店舗、特に売場面積の広い書店は目的の本以外にも目に入ってくる情報は多岐に渡ります。

今まで興味の無かった分野や内容でも偶然目にしたり、手に取ったりして関心を持つことだってあります。読書の幅が広がることは、自らの内面を豊かにしてくれます。

残念ながらネットではまだこの出会いを期待することはできません。他の誰とも違う自分自身になるにはコンピュータ任せではなく、自身の足を使う必要があります。

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