学生時代や子どもの頃にもっと勉強しておけばよかった、と思う人は多くいるのでは。
私もその中のひとりです。
それどころか子どもの頃に、ほとんどの人が大人になってからそう思うものだと親から聞かされてきました。
今になって手遅れな気もしますが、少しでも挽回しようともがいています。
「すごい勉強法」という題名に惹かれ購入しました。
本書には具体的な勉強法についても勿論書かれているのですが、そのような方法論というよりも正しい勉強法を身につければ頭の良い悪いにかかわらず成果はあがりますよ、そうすればこれからの時代で勝ち残れますよといった趣旨でした。
書籍情報
【書籍名】『精神科医が教えるすごい勉強法』
【著者名】和田秀樹
【出版社】総合法令出版
著者について
著者の和田秀樹さんは精神科医、教育・医療評論家、臨床心理士、管理栄養士、大学院教授、映画監督、小説家などと活動範囲は多岐に渡り、ヒデキ・ワダ・インスティテュート、緑鐵受験指導ゼミナール代表を務められています。活躍の幅が広すぎて紹介しきれません。
著書は数多くありこちらを見て焦りました。やっぱり多すぎて紹介しきれませんが、勉強や受験についての著書が多いようです。
大切なのは勉強のやり方である
本書で主張されているのは主に以下のことです。
なぜ勉強しても成果が上がらないということが起こるのでしょうか。 一番の原因は、勉強の「やり方」を間違えていることにあります。 16ページより引用
では正しい勉強のやり方とはどんなものなのか。
多くの人が勉強は教わっても勉強のやり方を教わっているわけではありません。
著者は問題を自力で考えるにはそれらを解くためのコツやパターンといったことを数多く憶えていく必要があるとしています。目の前の難解な問題をなにもひらめきで解決するわけではないのです。
考えることとはあくまでも問題解決のコツやパターンを引き出していくことであると説きます。
このことは学校の勉強だけではなく、仕事や生活などにも当てはまることが多そうです。
やり方を学ぶことによって問題解決の成功体験をすると、何かに行き詰まったときにやり方を求める考え方になる。
このことにより社会人になってからも学ぶことに対する正しい考え方を持つことができるようになります。
本当の頭の良さとは
自分の長所がよくわからないという人は結構います。
そこで著者は人の特性には記憶優位型と思考優位型のふたつがあり、どの人もたいていどちらかが優れているという分類法を示します。自分の特性を知る第一歩になるでしょう。
また頭の良さとは様々な意味があり複数の定義があるとし、たとえば発達障害といわれる特徴でさえその特性を活かすことにより有利に働くこともあるとし、マイナスと思われていた要素も必ずしもそうであるとは限らないことがわかります。
いままで自分は頭が良くないとコンプレックスを持っていた人も、その特性を知り、活かすことにより活躍の場を見つけるヒントになります。
更に頭の良さは変化していくもので、年月を経て賢さが失われる場合もあります。そうならないためには何をして、どのような態度でいればよいのかが記されています。
AI時代では頭の良し悪しで格差が広がる
これまでの終身雇用や年功序列が崩壊の兆しを見せていると言われて久しくなりますが、これからの時代を生き抜くには変化に対応できる能力が問われます。
AIの時代になって多くの仕事が取って変わられることが予想されますが、変化に対応できない人は淘汰され搾取されるだけの存在になる可能性が高くなります。もはや学歴がいままでのように通用しなくなる社会がやってきます。
取って変わられる仕事は単純作業だけではなく、税理士や会計士などの知的職業も含まれます。
ですが世の中の仕事はすべてAIが行ってくれるので勉強も必要なくなるという意見もあるようですが、本当でしょうか?
ものを知らないと、どこまでもみじめな目に遭い続けることになります。 120ページより引用
著者はそのような考え方に警鐘を鳴らし、安泰な職業などはなくなりできる人とそうでない人の格差が拡がると訴えます。
そのような時代を生き抜くためにはAIを使いこなす頭の良さが求められ、そのためには勉強が必要だと説きます。
まとめ
すごい勉強法という題名ですが本書ではAIの時代到来し、拡がっていく格差のなかで生き残るために勉強の必要性を提示しています。