コミュニケーション能力が低いと何かと不便だしストレスを感じやすいですよね。他人と話すことが苦手な人であっても、好き好んで人間関係を悪くしたいとは思っていないでしょう。
対面はもちろんのこと、電話での会話も同様です。昔に比べ仕事でもプライベートでも電話を使う機会が減った現代では、人と直接話すことを苦痛と感じる人が増えたようです。電話がなくてもそれに代わるコミュニケーションツールが普及したことや、SNSなどオンラインで他人とつながることの多い今の世の中はコミュ障を呼ばれる人たちを生み出しやすい環境になっています。
ですがコミュ力が無いと様々な場面で損をします。逆にコミュ力があれば何かと楽だし時には得をすることもあります。なにもコミュ力おばけになる必要はありません。人並に届かなくてもいいんです。でもコミュ障で困っているなら今より少しだけコミュ力を身に着けましょう。
コミュ力が少し上がれば今まで感じていた居心地の悪さや気まずい思いを感じずに済みますし、毎日の生活が心地よいものになります。
コミュ障の人が増えた
コミュニケーション障害という言葉は2000年代以前にはあまり聞かれなかったように思います。最近ではプライベートは勿論仕事でもコミュ力不足で支障をきたして悩んでいる人も多いようです。若い世代では電話でさえ苦手な人が多いそうです。
コミュ障は現代に限ったことではなく昔から存在していましたが、相手と顔を合わせて話しをしたり電話をする機会が今より多かったこともあり、半強制的に克服させられた一面もあります。それでもやはりコミュケーションが一向に上手にならない人もいました。
翻って最近は自分がイヤと感じることは我慢しなくても良いといった風潮もあり、苦手なことを無理してまで改善しないことが許されるようになった感があります。
人と直接話すのは苦手でもLINEやビジネスチャットなどでコミュニケーションを取ることが可能になったのはコミュ障の人たちにとっては救いの手でした。
ですがそれだと中々コミュニケーション能力は上がりません。なぜならお互いの心理的距離を縮めることが難しいからなのですが、コミュ障の人にとってはそこが良いのでしょう。
コミュ障の特徴
コミュ障といってもその人によって症状にさまざまな違いがあります。すべてをあげることはできませんが、主な特徴は以下のような点です。
・人の話を聞かない
・会話のキャッチボールができない、または続かない
・自分から話しかけられない
・相手の目を見て話せない
・同じ話を何度もする
・反論やネガティブな発言が多い
・異性と会話が苦手
・価値観の違いを認められない
・協調性が無い
・他人に関心がないor自分のことばかり話す
ほかにもあると思いますが、これでは他人とコミュニケーションをとるのは難しいですよね。
更に一般的にコミュ障と言われる人には2タイプあります。一つは口数が少なく自己主張が苦手で会話自体が続かない人見知りするのが特徴。世間で一般的にコミュ障といってイメージされるのはこのタイプです。
もう一つは相手の話をろくすっぽ聞かず、自分のことばかり主張するタイプ。積極的に会話をするからコミュ力があるとは限りません。相手の感情に配慮せず、自己中心的で空気が読めないタイプです。後者は他人と話すことが苦手とは思っていないので、やっかいなことに自分がコミュ障だと気付いていないどころか、自分はコミュ力があると思っている可能性すらあります。
コミュ障になる原因
コミュ障になりたくてなった人はほとんどいないと思われます。コミュ障になったのには何かしらの原因があります。その多くが過去のトラウマです。
何かコンプレックスを抱えていたり、自分に自信がなかったり過去に犯した大きな失敗などが挙げられますが、他にもいじめや陰口、家庭環境といった本人に責任のない原因はなんともやりきれませんね。
過去にトラウマになるようなことを経験した人は、それが原因でイヤなことがあると引きずりがちです。イヤな気持ちや記憶を上手に消すコツを身に着けると気分があがりますよ。
コミュ障の人と会話するとき、その本当の原因はわからずとも過去に何か不本意なことや理不尽なことがあったのかもと思いを巡らすのは、接する際のヒントになり得るかもしれません。
社会で生きていくにはどうしてもコミュ力は必要
今更言うまでもないですが、いくら他人と会話するのが苦手だからといってもコミュニケーション無しで生活や仕事をしていくのはほぼ無理です。
学生の時は自分の話したい人だけと話すこともある程度可能でしょう。バイト先でも態度の悪いアルバイトスタッフで許されていたかもしれません。コミュニケーション不足から他人から何と思われようと我関せずの態度も押し通せたでしょう。ですが社会に出るとそういった自分の我を通すことが難しくなってきます。
組織に属していれば上司や部下、同僚さらにはクライアントとのコミュケーションが求められます。コミュケーションが上手くいかないと、つまらないことで仕事に支障をきたすこともあります。
本来ならばなんの問題もないはずが、コミュニケーション不足で関係が悪化するなんてことは社会人なら多くの人が経験しています。
会話が苦手でも仕事で結果を出して見返してやると思っても、コミュニケーションがうまく取れないと仕事をする前にダメの烙印を押されてしまうことだってあり得ます。理不尽なようですが、世の中そんなものです。
組織に属しているよりも頻度は少ないですが、フリーランスで仕事をするにしても仕事内容の打ち合わせやクライアントの要望をきちんと把握するにはコミュニケーションは不可欠です。
とはいっても人間は得手不得手がありますし、コミュ力は低くても誤解が生じないレベルで相手とこちらの会話が成立すればOKです。話していればこちらが会話が苦手だということは相手はわかるものです。
冒頭にも書きましたが今はコミュ障というレベルまでいかなくても電話対応を苦手にしている人が多くいます。逆に考えると普通に電話対応できるだけで、周りと差をつけられるちょっとしたアドバンテージになりますよ。
直接的なコミュニケーションのメリット
昭和の時代と違い、今は何か連絡することがあるとすぐ電話というわけではありません。電話は基本的に先方の都合の良いタイミングに合わせるのが難しく、もしかしたら相手の重要な時間を奪ってしまうことになるかもしれません。ビジネスシーンでもメールなど文字ツールで済ませられるなら、まずそちらを優先することが増えました。
文字でのコミュニケーションは電話と違って相手の仕事を強制的に中断し時間を奪うものではありません。ホリエモンも著書『多動力』で電話をしてくる相手とは仕事をするなと言ってますしね。
今では嫌われ者になった感のある電話ですが、そんなに悪いモノなのでしょうか。確かにこちらの都合で相手にとっては迷惑なタイミングになることもあります。また緊急性のない用件やメモ的な連絡をわざわざ電話でされると嫌がらせにしか思えません。
ですが声を出してのコミュニケーションは文字とは違い、相手のニュアンスを汲み取ったり連続したやり取りの際に効率的です。もっと言うと直接顔を合わせての会話は電話やビデオチャットよりも込み入った話をしやすく、相手との信頼性を築きやすい手段です。
いくらコミュニケーションツールが発達しても直に相手と会話する必要性は少なくなりはしますが、なくなりはしません。
コミュ障の治し方
コミュ障を抱えている多くの人は他人との会話が重荷になっています。せめて最低限のコミュニケーション能力を身に着けたいものです。
コミュ障を治すための方法としてよくあげられるのは、挨拶をする、相手の目を見て話す、相槌を打つ、笑顔でいるなど。でもそれができれば苦労していませんよね。
基本的に自分が会話をリードしようと思わないことです。何か話題を提供して無理に会話を続けようとしても上手くいきません。それより相手の話を否定せず聞き上手になることを心掛けてください。要するに相手と意味のない雑談ができるかどうかです。話を盛り上げたり、笑いに変える必要はまったくありません。
コミュ力を上げるための本は数多く出版されていますし、コミュニケーション教室も存在します。
関連記事:コミュ障なら英会話の方が楽かもしれない
本を参考にしてコミュ力を上げる
心理的プレッシャーはさほど感じていないのだけれど、単に語彙力や会話の続け方がわからないなら本を参考にすることで解決できる場合もあります。
元コミュ障だったアナウンサーが体験を交えてコミュニケーションを取る際のコツや実践例も紹介されています。
マンガのほうが理解しやすい人にはこちらがおすすめです。
コミュ障だと鬱になりで引きこもりたくなりがちですが、一人で仕事をするためにも行動力は必要です。コミュ障を治す必要は必ずしもないが、自ら動くことは大切だということを示した一冊です。
自分で治せないならレッスンでコミュ力を向上させる
本を読んでコミュ障を克服できるのなら手っ取り早いのですが、現実的にはなかなか上手くいかないものですよね。なので実際にトレーニングを受けるほうが、コミュ力を身に着ける手段としてはずっと有効です。
コミュトレ
コミュトレでは性格やセンスに頼らず、人間心理と教育工学に基づき誰もがコミュニケーション能力の向上を図れることを目標としています。コミュ力はまさに性格やセンスの有無だと思って諦めがちですが、違った角度からのアプローチは克服本などにある従来の方法論とは一線を画していますね。
実際にレッスンを受けるにあたってはオンライン形式なので地域に関係なく全国対応可能です。更に1回10分のセルフラーニングと週1回90分のトレーニングなので忙しい社会人でも無理なく受講できます。
伝え方コミュニケーション検定・初級中級セット
家族や友人知人、普段接する職場関係の人などコミュニケーションをうまくとりたいと考えている相手が限られている方には伝え方コミュニケーション検定のメソッドは有効です。コミュ障を治す気はないけど、ある特定の相手との関係性を良好にしたいケースに効果を発揮します。
別に誰とでもうまくコミュニケーションを取れなくても構わない、ある特定の人たちとだけわかってもらえれば十分という考え方はわからないでもないです。勿論コミュ障の克服にも役立ちます。
伝え方コミュニケーション検定では性格統計学により話す相手のタイプを選別し、それぞれに合ったコミュニケーションの取り方を学びます。パソコンやスマホ、タブレットで動画を視聴しながら学習していきます。
どうしても自力で克服したいなら
そもそもあがり症で対人でしゃべるのが苦手だからカメラ越しでも人と話すのはキツいという人は、専門書よりももっと踏み込んだ内容の教材を使って自分で克服する手もあります。
あがり症改善プログラム
自身も人前で話すことが苦手だったあがり症専門心理カウンセラーが、心理学的なアプローチで開発したプログラムにより自らあがり症を克服し、スピーチの全国コンテストで準優勝しました。コミュ障の原因があがり症の場合有効な手段です。
フリーランスで稼ぐ
ややこしい人間関係に巻き込まれたくないので、あくまでも組織に属さずフリーの立場で収入を得たいなら、クラウドソーシングサービスを利用するのが現実的な手法です。ここでフリーランスとしての実績を積んでいきパーソナルブランディングを築いていくと、仕事を依頼するのなら「あなた」にお願いしたいと選ばれるようになります。
クラウドワークス
お仕事マッチングサイトとして高い知名度を誇るクラウドワークスです。とにかく案件数が多いので、自分の適性分野を探っている段階の人にとってはとても助かる存在です。フリーランスとして第一歩を踏み出すのはクラウドワークスに登録することから始まるといってもよいでしょう。
クラウドテック
クラウドテックはクラウドワークスと運営会社が同じですが、こちらはライターやデザイナー、エンジニアなどIT技術者向けのサービスです。クラウドワークスは扱っている業務の幅が広く同様の案件もありますが、クラウドテックの方が単価が高めなのが特徴です。ITのスキルを活かしてフリーランスで実績を積んでいくならクラウドテックがおすすめです。
まとめ
コミュニケーション能力は控えめでいいんです。ですがまったくないと損ですよ。孤独というだけでなく、他人から本来受けなくてもよい精神的苦痛を受けるなんて理不尽にも程があります。
コミュ力がないと自分のことを自分が思っている以上に他人はわかってくれません。言葉を発せずとも理解してくれる相手なんてこの世になかなかいません。親子の間でさえ誤解が生じます。
相手からコミュ障ではなく控えめで口数が少ないおとなしい人くらいに思われるレベルくらいは欲しいものです。