アメリカ合衆国では2大政党が政治を牛耳っています。共和党と民主党。4年に一度の大統領選挙が始まると、このふたつの政党の選挙活動の様子が日本でもテレビをはじめ様々なメディアで紹介されます。
その際一目瞭然なのが、それぞれの党の色。共和党が赤で民主党は青がシンボルカラーです。今では当たり前のようなこれらのシンボルカラーはいつ頃から使われているのでしょうか。
シンボルカラーが定着したのは結構最近
昔から使われていたようなそれぞれの党のシンボルカラーですが、定着したのは2000年にジョージ・W・ブッシュ氏とアル・ゴア氏が大統領選を戦ったときからだそうです。当時、ブッシュ氏が勝利した州を赤、ゴア氏が勝った州を青で塗り分けたことが始まりです。
共和党を支持する傾向が強い州は「red state」、逆に民主党の支持者が多い州は「blue state」と呼ばれます。

赤と青はともにアメリカ合衆国の国旗で使われている色でもあり、テレビの画面に映したときに一目でわかりやすいという特徴があります。
シンボルカラーが定着したのはなんとなく19世紀あたりからだと思っていたので、2000年代からとはかなり意外な感じがしました。それ以前は特に決まっていなかったそうで、黄色が採用されたり、民主党が赤を使用したりしたこともあったようです。
共和党と民主党の違いを簡単に
アメリカ合衆国には緑の党や共産党をはじめ多くの政党がありますが、大統領が出ているのは共和党と民主党の2大政党からのみです。

このふたつの政党は民主主義、資本主義を掲げている点は同じですが、理念や支持基盤は異なります。
民主党…大きな政府、リベラル、個人の自由を尊重
共和党
個人や企業の自発性に任せ規制は最小限に、市場を重視し政府による介入をなるべく行わない。小さな政府を目指す。排他的で伝統や習慣を重んじ保守的である。タカ派、好戦的。
保守的な白人、敬虔なキリスト教徒、テキサス州やカンザス州など中南部の州が主な支持層。
主な歴代大統領はロナルド・レーガン、リチャード・ニクソン、ブッシュ父子、ドナルド・トランプなど。
民主党
政府が経済や福祉などあらゆる方面の政策を積極的に行う。大きな政府。多様性を認め、個人の自由を尊重するリベラルな立場。マイノリティや貧困者を救済。環境問題に積極的。理想主義、融和的。
黒人、アジア系、ヒスパニック系などのマイノリティ層、カリフォルニア、ニューヨーク州など沿岸部や大都市に支持者が多い。
主な歴代大統領はジョン・F・ケネディ、バラク・オバマ、ビル・クリントン、ジミー・カーターなど。
2大政党のマスコット
共和党も民主党もそれぞれ動物をマスコットとしています。
共和党は強さと威厳の象徴としてゾウを民主党は家庭的で誠実さを表しているとしてロバをシンボルとしています。

民主党…ロバ
ですが民主党は積極的にロバをマスコットとしてアピールしているわけではありません。
そもそもロバが民主党のマスコットとなったのは、後に第7代大統領になったアンドリュー・ジャクソンが相手陣営から愚鈍なロバと揶揄されたことを逆手にとったことに始まります。
なので民主党陣営は自虐的ともいえるこのマスコットを誇らしくは思っていないようです。
ゾウとロバをそれぞれのシンボルとすることは、19世紀の政治漫画家であったトーマス・ナストが週刊誌に風刺画を掲載して広まったそうです。イメージカラーよりマスコットの歴史のほうがずっと古いのです。