夏季オリンピックは春か秋にずらして開催した方が良い

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オリンピックまで1年を切っている時点で国際オリンピック委員会(IOC)から、マラソン及び競歩の開催地を東京から札幌に変更するよう提案すると発表があり、翌日には決定したとの報道がありました。

当然、この時期になって何を今更という意見が大会組織委員会(TOCOG)や都知事から出ていますが、IOCもこのような反応が起きることが当然予想されたはずで、それでも敢えて開催地の変更を提案したということは、IOCが猛暑のなかで行われるマラソンや競歩に対して強い懸念を持っていることを表しています。

このような報道を見て思ったのですが、オリンピックって東京でわざわざ夏に行う必要あるのでしょうか?

※新型コロナウイルスの影響により、7月に開催が予定されていた東京オリンピックの延期が2020年3月に発表されました。この記事の趣旨は暑い季節にオリンピックを行うことの問題です。

提案の背景には世界陸上ドーハ大会

IOCから会場の変更を提案するのは極めて異例のことらしいのですが、その背景には9月下旬から10月上旬に行われた世界陸上のマラソンや競歩で約4割の選手が棄権してしまったことがあるとのことです。

同大会ではマラソンも競歩も気温が下がる真夜中にスタートしたのですが、それでも気温30度、湿度70~80%の条件下で行われました。その結果、棄権した選手が続出、当然好タイムも出ませんでした。

このような事態が起きたことで選手や関係者から「かなり馬鹿げた、クレイジーな気象条件だった」、「非人道的な環境だった」、「大会を決定したお偉方は今頃涼しい部屋で寝ているのだろう」などという強烈な批判が飛び出しました。

84年にロスアンゼルスオリンピックでも、女子マラソンでアンデルセン選手がフラフラになった姿を憶えているひとも多いでしょう。

真夏の東京で競技が開催されることを考えると、IOCとしてはこのような意見を無視するわけにはいかなかったのだと思います。翻ってJOCやTOCOGの運営方針には疑問が残るところです。

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夏季オリンピックの開催時期

夏季オリンピックといっても必ずしも夏に行われているわけではないようです。1964年の東京オリンピックは10月10日から24日まで行われました。東京の次のメキシコオリンピックも10月に開催されています。

また第1回のアテネから第8回のパリあたりまでは4月や5月からオリンピックが開かれました。もっともこの時代のオリンピックは数ヶ月に渡って開かれており、今のように約2週間になったのは1928年の第9回アムステルダム大会からのようです。

周知の事実ですが7~8月にオリンピックが開かれるのは巨大スポンサーであるアメリカの放送局の意向が反映されているからです。アメリカでは野球以外の4大スポーツが秋に始まります。夏の時期はアメリカにとってちょうど都合が良いのです。そこに選手ファーストの理念を見出すことはできません。

マラソンや競歩の会場を札幌に変更するとしたら

札幌が選ばれた背景には当然様々な理由があります。国内で唯一夏にフルマラソンを開催している実績があることもそのうちのひとつだと思われますが、当然ながら様々な問題が起こることが予想されます。

今回マラソンと競歩の2種目が取り上げられていますが、トライアスロンや1万メートルなどの長中距離走やビーチバレーなど多数の競技についても会場の変更が必要になるかもしれません。

まず準備期間ですが報道などによると通常3年は必要で、ノウハウがあるとはいえ10ヶ月では時間が不足しているとのことです。テストイベントの見直しが必要になる可能性もあります。

また競技運営に携わるボランティアは今から募集して間に合うのでしょうか。更に当初、コンパクトな五輪を目指すとしていた方針にも外れることになります。

販売済みのチケットも問題です。払い戻しの対応が迫られますし、もし販売済みのチケットをそのまま適用するとしたら、購入者に札幌までの移動と交通費を強いることになります。

選手選考に関して言えば敢えて暑い時期に行われたMGCでの結果に基づき、暑さに強く高い気温でも勝負できるタイプの選手を選んでいるとのことです。

そして会場変更に伴う追加費用はどこが受け持つのでしょうか。森会長はIOCに負担を求めると言っていますが、IOCがそれをすんなり飲むとは思えませんし、国が持つという話もあります。例え負担するとしても一部のみで、いきなり話しを振られた札幌も費用をすんなり出せないでしょうし、自治体の費用負担で揉めそうです。

今回のレース場の変更については、東京都を外して話しを進めて断れないところの段階で東京都に通達したのなら筋違いも甚だしく怒るのは当然です。東京都も約300億円かけて暑さ対策を行っていたそうです。

蚊帳の外の小池都知事は反発し、それなら森とプーチンは親しいことから北方領土ででもやるかと皮肉を言っています。

因みに開催都市以外でのマラソンレースは五輪史上初だそうです。

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選手ファーストで考えるならば夏季オリンピックは春か秋にずらして開催するべき

以上は今更レース会場を変更することについての理不尽さを述べてきましたが、問題は真夏の暑い時期に東京でオリンピックを開くことには無理があることです。ですが東京に五輪を招致する際には、東京のこの時期の気候は温暖だとアピールしていたそうです。

地球温暖化はすでに夏の屋外でスポーツをすることが危険になるほどに進行してしまいました。もちろんオリンピックだけではなく世界陸上や他のスポーツ大会でも、開催地の選考には気候を考慮に入れて慎重にならざるを得ない時代になってきたと思います。

夏の甲子園も、もう何年も前から見直したほうがよいと言われています。観客にとっても真夏の炎天下で観るより春や秋の方がありがたいですよね。

東京にオリンピックの招致が決まった当初から、夏の猛暑の時期に東京でマラソンが行われることの是非が疑問視されていましたが、決定したことは動かせないという日本的、お役所的な態度で物事が進んでいました。そんな状況をIOCが見るに見かねたか、または小池都知事とは対立関係にある森会長あたりが動いた可能性があります。

温暖化が問題になる遥か以前の1964年の東京オリンピックのときも、夏は気温が高く条件が悪いとの理由で10月に開催されたそうです。

はっきり言って現代において真夏に屋外スポーツをやることは選手ファーストとはとても言えません。オリンピックが巨大なスポーツビジネスになってしまった為に、商業的発想から来る弊害がモロに出てしまう事態になっています。

オリンピックが政治やビジネスのしがらみだらけなのは、すでに皆承知している事実ですが、それをあからさまに見せ付けられると嫌悪感を感じます。

また地球温暖化という大きな課題に、これもまたビジネス的な判断からその実態を認めず、有効な対策を怠ってきたツケが回った感があります。

もう真夏に東京で夏季オリンピックを行うことは困難になってしまったほど、地球環境は悪化している事実をいい加減受け入れなければなりません。

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